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よく旧車會界隈でも耳にする「チヂミ塗装」。知らないヒトのために、どのような塗装なのかをここで紹介する。
この塗装方法は、表面が独特のチヂミ模様(結晶模様)を形成するのが特徴。表面にわざと細かいシワを生じさせ、これによって独特の質感を引き出すのだ。
製作工程の写真を見てもらってもわかるが、塗装といってもチヂミ塗装の場合は、溶剤を吹き付ける塗装ではなく、いわゆる「粉体塗装」と呼ばれる技術に属する。
粉体塗装といえば、よく耳にする「パウダーコート」があるが、チヂミ塗装はパウダーコートとはまったく違うもの。
表面処理の違いで何となくわかると思うが、工程も大きく違っている。パウダーコートの場合、溶剤を使わずに直接、高温で溶けた塗料の樹脂そのものをコーティングする。その特徴は塗膜が厚く、柔軟性があることだ。
一方チヂミ塗装は、細かい結晶状の粉体を製品に吹きかけ、高温で焼き込むことで、独特の模様を作り出す。どちらの場合も、100度をはるかに超えて処理できる窯が必要になる。
この時、製品内部に気泡や空間があるとそこが発砲して塗装面に気泡(泡)が生じ、綺麗に仕上がらないばかりか塗装膜の密着も悪くなってしまう。
よって、製品ベースの素材がしっかりしていて、なおかつ管理が良い物でないと仕上がりは綺麗にはならないのだ。
まずチヂミ塗装を施すパーツの洗浄からはじめる。この下処理が重要だ。
ブラストをかけ、下地を馴染ませるベースを成型させる。ここは入念にチェックしながらの作業になる。
全体にしっかり馴染んでいるかを確認しながら作業を進めていく。
次に製品を取り出して綺麗に拭き取る。ホコリが残っていると、仕上がりが悪くなる。
この時に、傷や段差もチェック。ひとつでも存在すると、次の工程には進めない。
とにかく徹底的に磨く。目視できなくても、この作業をやり続けることで仕上がりが大きく変わる。
アルコールで綺麗にしたら結晶塗装の準備に入る。まんべんなく吹きかけるために吊し作業を行う。
まずはエアーでホコリやチリを綺麗に排除する。最後まで気の抜けない作業が続く。
次に結晶塗料の用意。実はこんな細かい粉だった。これを専用のガンにセットする。
これがチヂミ塗装に使う専用のガンだ。静電気を発生させて吹きかける。
ガンのスイッチを押すと、細かい粉が先端から広がりながら噴射される。ちょっと身体に悪そうだ。
ガンを吹きながら製品に近づけると、どんどん粉体が付着していく。ここではブラックを使用する。
様々な角度からまんべなく均等に噴射する。時間をかけてゆっくりと作業を進める
パーツファクトリーのチェーンケースはロゴ入りになっている。抜き文字はちょっと難しい。
職人の手によって綺麗に仕上がった。かなりの手間がかかっている
粉体がしっかり吸着したら、次は焼きの作業に入る。専用の釜によって高温で焼く。
写真のような状態でセット。手間もかかり生産数も限られることがよくわかる
焼きあがったら製品を取り出して検品作業に入る。浮き上がり、割れがないかを確認する。
これが完成したチェーンケース。その仕上がりの良さは一目瞭然。これが1万円ちょっとなら安い。なんといっても自分でやろーと思っても出来ないモノだから。
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