1978年に発売したRGはスズキ渾身の力作だった。250cc専用設計のフレームが与えられたのもこのモデルからだった。ストレート基調のデザインもカッコ良く、大人気モデルになった。スズキの伝統の2ストスポーツの歴史の中で、空冷最後のモデルとなったのがRG250だ。

スズキの名を世界に知らしめたマシンといえば、1971年に登場したGT750だろう。国産ビッグバイクとして先行するホンダCB750FOUR打倒を目的に開発。CBの4スト4気筒エンジンに対し、GT750は2スト3気筒エンジンを搭載して対抗した。
このバイクは世界初の水冷ラジエータを備えた2スト3気筒738ccエンジンを搭載。その馬力は67psを発揮した。CBを凌駕する235kgの巨体と水冷ラジエター搭載であることから、海外ではウォーターバッファローの愛称が付けられた。だが、国内ではジーナナと呼ばれた。
CB750FOUR、CB500FOURに続いて発売されたCB350FOURはホンダにとってアンダー400cc初のインラインフォーだった。
元祖ナナハンであるCB750FOURに本田宗一郎が乗ろうとしたところ、部下に止められ「俺でも乗れるCBを作れ」という指示を出して誕生したのがこのバイクだった……という説も残っている。
免許制度改正によって大型から中型へと主流が変わった時代に、みんなが憧れたバイクがCB400FOURだった。
斬新なスタイリング、そして、搭載するマルチエンジンが話題となり、見事に市場獲得に成功。まさに一世を風靡したバイクとなった。シートは『ダブルシート』と呼ばれたスリムなタイプで、足付きも良好。テールエンドのヒップアップとビス止め仕上げが走りに徹するスパルタさを醸し出した。また、カフェレーサームードを演出するため、高さを抑えて細長くした燃料タンクも特徴。その斬新なデザインに誰もが目を奪われた。
2スト3気筒の異端児と呼ばれたGT380。我々の間ではサンパチの愛称で親しまれている。
ちなみに、380という中途半端な排気量になったのは、2気筒のGT250(54ミリ×54ミリ)のシリンダーをひとつ増やして開発したからだといわれている。
1976年に、スズキで初めて400cc4ストロークDOHC直列2気筒エンジンを搭載させたのがこのGS400だった。
ホンダCB250Tホークがデビューさせた1977年7月。同年5月登場のCB400TホークIIとともに、1973年からラインナップしていたホンダドリームCB250T/CB350Tの後継モデルとして誕生。
ボディスタイリングは前モデルがCB750FOURのイメージを継承していたのに対し、ホークは丸みを帯びたタンクを採用するなどイメージ一新を図り、そのタンクのカタチから「やかんタンク」と呼ばれることもあった。
しかし、ヤボったいフォルムとは裏腹に、搭載された内径×行程62×41・4mmという超ショートストローク249ccのSOHC3バルブエンジンは26ps/10000rpmを発揮。前モデルから継承したフロントディスクブレーキや6速ミッションのほかにも、バランサーやサイレントカムチェーン、CDI点火システムなどスポーティな走りを実現する装備が与えられた。
1981年にデビューしたCBXは、スーパースポーツの称号を与えられ、時代を作ったヨンヒャクマルチの傑作だと言われた。
さらに、量産車世界初の軽量中空アルミキャストリアフォークを採用するなど徹底した軽量化も図られていた。また、ホンダ独自となるインボード・ベンチレーテッドブレーキ(Fディスク/Rドラム)の採用も見逃せないポイントだった。当時はカタログを見るたびに心が躍らされる、まさに憧れのマシンだった。

CBX400Fがスタイリッシュなスポーツマインドに溢れるフォルムであったのに対し、CBR400RのそれはまさにRの文字が物語る通り、レーシーなものだった。
新設計の角型断面ダブルクレードルフレームパイプや軽量で強力なストッピングパワーを持つトリプルディスクブレーキを備えた高剛性NSコムスターホイールを採用するなど、CBXのデビューからわずか2年で劇的な進化を遂げた。