青春時代に夢中になった懐かしのあのマンガ
このコーナーでは、チャンプロードらしく不良文化論と題して「不良の愛した物事」をテーマに、懐かしのグッズから当時流行った出来事、さらに、影響されてた映画、テレビ、マンガまで、様々な切り口で「あの頃」を感じさせる出来事を解説しています。
ド派手な喧嘩、熱い友情に夢中になった
俺たちはこの漫画で男気を学んだ
前回は不良が夢中になった二輪・四輪・改造系のマンガをクローズアップした。そこで今回は、1970~1990年代にかけて俺達の心を揺さぶった「熱いストーリーとオトコ臭さ全開の世界観、ド派手な喧嘩、熱い友情を描いた漫画」をキーワードにピックアップ。80年代のリーゼント、パーマに象徴される硬派な”ツッパリ””ヤンキー”から、スタイリッシュかつファッショナブルでライトな分類されない”不良少年”への変貌を遂げていく、そうした時代ごとの変化、移り変わりも当時の漫画には描かれている。
『ハイティーン・ブギ』
1977年-1989年
【オートバイ不良少年・翔と桃子の恋】
1977年からプチコミックに連載された『ハイティーン・ブギ』は、漫画家・牧野和子と夫の原作者・後藤ゆきおによって全26巻が刊行された。ロックにリーゼント、ポニーテールに革ジャンと当時の流行をリアルに描き、そのセンスの良さも話題になった。1982年には近藤真彦が主演し実写・映画化され、彼が歌う同タイトルの主題歌も大ヒット。ちなみに、マンガで主人公の翔の乗るバイクはカワサキZⅡだったが、映画ではCBX400Fに変わった。しかも、ジムキャット仕様というマニアックな改造車が使われた。
ポスター中央のCBXに注目!! これはインテグラのカウルでは無いですよ!!
『バツ&テリー』
1982年-1987年
【縛られるのが大嫌いな高校生コンビの物語】
野球と喧嘩に強い高校生コンビの活躍を描いたマンガ。黒髪リーゼントの通称「バツ」と茶髪アフロに伊達メガネの通称「テリー」は同じ野球チームでバッテリーを組むコンビ。普段は練習そっちのけでバイクを乗り回しナンパとケンカに明け暮れる。自由奔放に日々を過ごすバツ&テリーだったが、様々なトラブルに遭遇し、それをきっかけに暴走族との対立抗争に巻き込まれていく。癖のある登場人物に囲まれ、ケンカに、恋に、野球にと大暴れするバツ&テリーの痛快ハチャメチャ青春マンガとして描かれていた。
『ビー・バップ・ハイスクール』
1983年-2003年
【ヒロシとトオルが社会現象を巻き起こす】
1983年から2003年まで『週刊ヤングマガジン』で連載され、単行本は全48巻が刊行された。ツッパリ高校生コンビのヒロシとトオルが、ケンカや恋に明け暮れる姿が描かれている。いわゆる「ヤンキーもの」の代表的な作品で、不良高校生の日常をリアルに伝えるマンガとして大ヒットした。必ずしも無敵の存在ではなく、時にはボロクソな負け方で落ち込む主人公の姿に現実のシビアさを感じた人も多いはずだ。
『魁!!男塾』
1985年-1991年
【不良少年たちを強面オヤジ達がスパルタ教育!!】
魁!!男塾は80年代『週刊少年ジャンプ』の人気マンガとして『北斗の拳』『キン肉マン』『キャプテン翼』とともに、後に「ジャンプの黄金期」と呼ばれる時代を築いた人気作品だった。ストーリーは、全国の行き場を失った不良少年達が刑務所のような学園に集められ、過激なスパルタ教育を施されるストーリー。序盤はギャグ漫画だったが、徐々に熱いバトル漫画に変化していった。かなり個性的かつ濃いめのキャラクターが数多く、生徒も教官達も強者だらけだった。魁!!男塾の中で、特別な存在感を放っていたオトコといえば、塾長である江田島平八だったことを思い出す。
『名門!多古西応援団』
1984年-1992年
【ナンパで硬派? な応援団員たちの青春】
1984年から1992年にかけて月刊少年マガジンに連載された「名門!多古西応援団」は、我々にとって馴染み深い「特攻の拓」を描いた所十三先生の大ヒットマンガだ。一説によると「湘南爆走族」みたいなものを……という当時の月刊少年マガジン担当からの要望で、暴走族に代わる硬派な男の集団として応援団員たちの群像劇を描いたと言われている。女性が苦手な主人公の胡女浩司が、男を磨く目的で応援団に入団。しかし、そこには硬派どころかナンパでユニークな先輩たちばかり…。だが、先輩たちと接していく中で、実は彼らが「やる時は、やる」硬派な男達だったんだと気づく!! そんなほっこり熱い学園青春ストーリーとして始まり、後には団員たちそれぞれを主役にした話が多く展開された。
『押忍!! 空手部』
1985年-1996年
【アホな事ばかりするが情に厚い主将に惚れた】
大阪の名門不良高校である関西第五工業高校を舞台にした学園グラフィティ。一年生の松下正は弱い自分を変えるため空手部に入部し、強烈キャラの空手部主将・高木義志に出会う…連載最初期は松下を主人公とした弱虫物語で、先輩たちによる理不尽なシゴキに耐えるエピソードが展開された。
しかし、次第にド派手な生き様と男気が魅力の高木義志の人気が高まると、高木を主人公として彼の底知れない強さをアピールする路線へと変更!! 不良たちとの抗争を経て超人バトル漫画へとシフトしていった。
『たいまんぶるうす』
1987年-1990年
【『月刊ヤングオート』連載の人気作】
改造車マニアに愛された雑誌『月刊ヤングオート』に連載されていた硬派な暴走族系ツッパリマンガが「たいまんぶるうす」だ。単行本は清水直人編(上・下)、ブラックエンペラー編(上・下)、博多編暴不良(上・中・下)、「たいまんばとる」レッドフラッグを刊行。1989年までに清水直人編3、翌1990年にレディース編 真由美1・2巻も発刊され、オリジナル・ビデオ・アニメ(OVA)化もされるほどの大人気作となった。
『ヤンキー烈風隊』
1989年-1996年
【トッポい顔の凄い奴こと“門田紋乃丞”の伝説】
一匹狼の主人公“門田紋乃丞“が、男気と喧嘩の強さで暴走族の世界でのぼりつめていく姿を描く。ケンカとトラブルで転校を繰り返してきた門田は“恋沼真梨”と出会い、彼女のために幾多の不良たちとの闘いを演じる。やがて門田は伝説の硬派部隊“烈風隊”の2代目総隊長となり、他の暴走族との数々の抗争に挑んでいく…という物語だった。1989年から1996年まで「月刊少年マガジン」にて連載、単行本は全28巻が刊行された。また、壮絶な抗争ストーリーの中から6本がOVA化され、1995年には実写映画化も達成している。このマンガで描かれた特攻服、単車や四輪の改造スタイルがとてもリアルだったことから、良く調べてある作品だと当時も話題になっていた。
『今日から俺は!!』
1988年-1997年
【転校を機にヤンキーデビューを果たす二人の物語】
日本テレビで実写ドラマ化され、もうすぐ劇場版も公開予定の大人気ヤンキーマンガだ。”今日からツッパる”ことを決めた三橋&伊藤コンビによる、ギャグ要素満載でハチャメチャな青春ドタバタコメディが繰り広げられる。個性的な仲間たちや思春期ならではの悩み、たまに出るシリアスな喧嘩ストーリーといった様々な要素が複雑に絡み合って楽しめた。
『カメレオン』
1990年-2000年
【口の上手さと悪知恵とハッタリこそが武器!!】
週刊少年マガジンにて、1990年から2000年まで連載。単行本は少年マガジンコミックスから全47巻が刊行された。主人公の矢沢栄作は喧嘩ではなくハッタリと悪知恵を駆使しながら不良の世界を渡り歩き、成り上がっていく。主役はカッコ良くて強いというヤンキーマンガの王道を完全に外した、他に類を見ないニュースタイルのヤンキー漫画だった。あるあるネタを交え、不良の心に突き刺さるギャグや、面白エピソード的な下ネタなどをふんだんに盛り込んだ内容が大ウケ!!運の強さを味方にしながら不良たちの間で一目置かれるカリスマ的な存在へと登っていく姿は、奇想天外、痛快すぎるヤンキーコメディとして実に面白かった。
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