1979年に開催された富士グランチャンピオンレース(富士GC)の前座レースだった富士スーパーシルエットシリーズ、通称「富士SS」。派手なエアロパーツを纏い、1トンそこそこのボディに570PS以上のターボエンジンを搭載、ストレートを驚異的なスピードで駆け抜け、さらにコーナー手前の減速区間では強烈なアフターファイアを吹き上げる。あまりのかっこよさに、当時の若者は痺れまくったものだ。

 そんな富士SSにおいて、一番印象的なマシンは? と尋ねると、当時を知る誰もがこう答える。それは、1982年に投入されたスカイライン・スーパーシルエットだと。

 通称トミカスカイライン。グラチャンを知る人達にとって、最も記憶に残る伝説のマシンだ。スカイライン誕生25周年を記念してデビュー。歴史上において異例の4気筒DOHC-TURBOエンジンを搭載しており、異端のスカイラインとも呼ばれ、グループ5カテゴリーにおいてライバルを寄せ付けない衝撃的な速さと強さを披露。そのフォルムにプリンスの意地を強く感じた。
 そんなトミカスカイラインを、市販車の1984年式DR30RSターボをベースに再現したクルマがある。製作したのは名古屋レーシング・ヒデさんだ。昔から街道レーサーをやっている人にはお馴染みの人物で、その作り込みはいうまでもなく、愛情を注ぎまくった傑作である。

 製作の参考にしたのは数々の写真、資料はもちろんだが、さらに「本物と同じ姿を再現したかった」とのことで、レプリカミニカーを参考に寸法の割り出しが行われた。

 構造的に「サーキットにおいて240㎞/h走行でも壊れないことを前提としているため、パーツの剛性や取り付け補強も完璧」とのこと。ちなみにエンジンはFJ20ターボに鍛造ピストンを組み込んだ2.1リッターボアアップ仕様。タービンも交換し、姿や形だけでなく、性能面でも磨きをかけている。また、足回りはフルタップ車高調を装着、ホイールは特注SSRメッシュホイールでフロント10J-16・リア5J-16を装着。タイヤはフロント225/40ラジアル、リアにはなんとスリックタイヤを履かせている。

シルエットウイングやリアスポはしっかりと鉄板で制作。リアウインドの両サイドにあるスポイラーはR30用純正オプションパーツだ。
15J-16を入れてもさらに車高を下げるために、タイヤハウスを上げる加工を施しているとのこと。隠されたコダワリの部分なのだ。
ドアミラーはステーを組んで、その上に定番ビタローニミラーを立てている。フロントフェンダーは見事なラインでキレイにパテ埋めされている。
リアのシルエットフェンダーはパテ埋めだが、あえてリベットも打ち込むことで、実車のリベット留めの武骨さを表現している。

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