ハイソカーブームと共に注目が高まったトヨタ3兄弟ことマークⅡ、クレスタ、チェイサー。それぞれが個性的で人気だったが、当時のクレスタに関しては、一番人気のマークⅡ、それに続くチェイサーの陰となり若干だが印象の薄い存在になっていた。
しかし、実のところ街道レーサーのベース車として考えた場合には、それが良い点になる。他人との差別化を狙うオーナー達にとっては、ド定番のベース車や仕様では面白くない。ちょっと外しの選択肢でオッと思わせる仕様を作る。そんなスタイルが当時をよく知るオーナー達の間で流行し、「クレスタこそが定番外しのカッコ良さを追求できるベース車である」と玄人たちがこぞって使うようになった。
トヨタ3兄弟の中では特に角ばったデザインが印象的なクレスタ。街道レーサーとして仕上げたパッチさんのクレスタには、当時のメリハリを効かせたエアロパーツが装着されている。フロント、サイド、リアについては、今となっては手に入らない貴重な当時物の外装キットを装着。また、そのエアロパーツを主張させるかのように塗られたパープルのカラーリングもインパクトが高く、昭和という時代を感じさせる見事なツートンカラーの演出になっている。
エッジを効かせたハコ車デザインが今どきのクルマにはない魅力を放っている。
フロントスポイラーはピッツーラ製を装着。ダウンフォース獲得を狙って深いエアダム形状を採用している。当時のキャッチコピーは「この造形美には機能がある」だった。
サイドステップは爆発的なヒットを記録したヒロ製を装着。整流効果をもたらす流れるサイドビューを演出する。
ホイールは懐かしのスターシャーク。フロント8J、リア9Jを装着する。タイヤは前後とも175/60-14の引っ張りタイヤ仕様でセットする。
リアバンパーはピッツーラ製で街道レーサーとしての主張ポイントにもなる巨大なセブンパネを装着している。
室内は当時の雰囲気ムンムンだ。中でもサイコロ+パールロングネックレスの組み合わせが昭和の暴走族感をグッと高める。
リアガラスに貼るステッカーは仲良しチームの物。リアトレーに置かれたカロッツェリアのロゴが淡く光るスピーカーが懐かしい。