このコーナーでは、チャンプロードらしく昭和の不良文化論と題して「不良の愛した物事」をテーマに、懐かしのグッズから当時流行った出来事、さらに、影響されてた映画、テレビ、マンガまで、様々な切り口で「あの頃」を感じさせる出来事を解説していく。
昭和ヤンキー風俗
特攻服に刻まれた熱い想い
意味深名言集
 暴走族が愛用する特攻服については何となく「アレかな」という程度で知っていると思う。その歴史は古く、カミナリ族から暴走族という言葉が生まれ始めた70年代後半、都内のあるチームが某団体が着ていた隊服を見て、それを真似たことをきっかけに普及した話が残っている。

 この時代、何かと抗争が多く、戦闘服とも呼ばれたが、80年代に入ると、その呼び方も変わった。抗争で突っ込んでいく、また、警察ともやり合うという風潮から、これは特攻服という呼び名がふさわしいと当時の雑誌が表現し、それが全国的に広まって浸透していった。
 80年代当時の特攻服は、走るための服だったので、あまり刺繍などは入っていなかった。だが、時代が進むにつれて次第に特攻服も単車と同じように暴走族のアイデンティティーを象徴するものへと変わっていく。特攻服に自らの意志を伝える言葉を刺繍を使って入れるようになる……それは90年代に入ってからのことだ。
 そして平成に入ると、この特攻服の文化はより華開き、走るための服から華やかに飾り、魅せるための服へと変わっていく。チームリーダーである総長だけが着れる特別な特攻服はもちろん、それを補佐する特攻隊長といった人達の服も独特の言葉で飾られた。それらはとても興味深く、また、各地域性が出ていて面白いものである。
 実のところ、暴走族が着る特攻服について、じっくりと見る機会はあまりなかったと思う。そして、そこに書かれている文字も読んだことがないだろう。なんとなく雰囲気で見てしまっていた特攻服。そこには、暴走族の彼らならではのメッセージが込められているので注目したい。

埼玉県発
埼玉宮代
魅殊儖
暴走一家
土曜の夜に華咲かせ
県警黙らす鬼へと化ける
誇り高き日本男児
魅殊儖魂胸に秘め
育った街で爆音響かせ
暴走街道まっしぐら
我が行く道敵はなし
仲間と共に青春ささげます
嘘で固めたこの人生
喧嘩で始まり仁義で終わる
天下無敵の一番星
其の疾きこと風の如く
其の徐かなること林の如く
侵し掠せめること火の如く
知りがたきこと陰の如く
動かざること山の如く
動くこと雷霆の如し

茨城県発
関東CRS連合
茨城 境
SPECTER
どうせ一度きりの人生を
特攻服に身を包み
暴走命と心に刻み
月の光りを背に浴びて
爆音と共に
夜の街道走り抜く…
土曜の夜の晴れ舞台、看板背負い走り出し
暗い闇に光りの花咲かせ、静かな町に爆音響かす
赤い光を背に受けて、踊り狂う仲間たち
土曜の暗い闇を照らすのは
俺の単車と自慢の仲間たち
例え警察来ようとも
我立つ前に敵は無し

茨城男児と生れたからには
止まる事を知らずして
進め無敵の特攻隊長
響け気合の爆音コール

心の奥に刻み込み
今夜も爆音響かせる
一生一度の十代を
飾って見せますこの町で…
愛するあなたが待つならば
笑顔でいきます少年院
年少鑑別大歓迎、いつでも来いよ●●県警
気合と根性は誰にも負ける気がしねえ
宵日に乱れた我が人生
牙を剥いた鬼となり
走る事に命かけ
暴走魂胸に秘め
命散るなら綺麗にと
今宵も月光背に浴びて
爆音で闇夜を切り裂き
無念無想で駆け巡る
我が人生悔いは無し
CRSよ永遠に…

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