これは凄い!! まさに街道レーサーの王道といえるシルエットカー。しかも、910ブルーバードのオートバックスカラーというのがニクイ演出。910ブルーバードのシルエットは他にもコカコーラカラーがあったが、これはちょっとありきたりで目立てない。
このクルマのオーナーも、そんな印象もあったのか、オレンジが眩しく、メリハリが効いたオートバックカラーを選択したというわけだ。
元ネタのクルマが実際にサーキットを走っていたのは1980年代初頭、ドライバーは柳田春人だったことを覚えている。日産ターボ軍団としてシルビアやスカイラインRSと共に激しい戦いを繰り広げた歴史がある。
そして、サーキットにおいて実際活躍したのは、実のところコカコーラカラーよりオートバックスカラーの方だった。このクルマは、それを忠実に再現したマシン。シルエットのスタイルを蘇らせながら、公認まで取得しているというから驚き。デッパ、竹ヤリを使ったイケイケスタイルのレーサーレプレカ。作り手の情熱が細部の作り込みから伝わってくる。
シルエットの場合は、どうしてもハリボテ感が出てしまうが、この910ブルーバードは造形、フィッティング共に素晴らしい出来栄え。オール自作とのことだが、ボディワークのレベルの高さは只者ではない。
エンジンその他はノーマルで、足回りはタナベのダウンサスを装着。ホイールはマークⅢを履かせてタイヤはブリヂストン製のレーシングレインタイヤを装着している。このレインも今となってはコレクターが喜ぶレアパーツとなっている。
このマシンが高速道路をカッ飛ぶ姿を見たら、きっと誰もが道を譲るし、驚くことだろう。個人的にサイド出しマフラーだったら最高にゴキゲンになったと思う。