現在の旧車會で人気を集めている単車の歴史を振り返る!!この時代のこの単車でなければ、俺達にとってはダメなのだ。
当時はあまり気にしていなかったが、今あらためて思い出そう。デビューから派生モデルへの移り変わりを知ることで、また新たな発見もあるだろう。そして、やっぱりこの時代のバイクは面白いと実感するはず。
KAWASAKI
ZEPHYR/ZEPHYRχ
レーサーレプリカブームが巻き起こった80年代。だが、その後半にブームを打ち消すバイクが登場した。
それがカワサキが放ったゼファーだった。フォルムはネイキッドスタイル、つまりはカウルを装着しない姿であり、そのDNAは伝説のバイクとその名が轟くカワサキZの意志を受け継ぐもの。当時の不良達のみならず、バイク好きの多くが、ゼファーにぞっこん惚れ込む現象が発生した。
新時代の到来!!
ネイキッドブームの立役者として
君臨したゼファーを振り返る!
旧車會において、そのベースになる車両は70年代、80年代初頭に登場したモデルが多い。暴走族黄金期を飾ったバイクに跨り、リメイクを施すことがあたり前になっていた時代、若いユーザー達の考えは別のところにあり、現状の旧車に物足りなさを感じていた。
旧式バイクはスピードが遅く、またトラブルの発生が多い。そして“年代もの”であるため値段も高騰して、なかなか手を出すことが出来るバイクではない。そんな彼らの前に、手ごろな価格で取り引きされ、なおかつガンガン飛ばして走れ、メンテナンスもそこそこに快適に過ごせるバイクとしてゼファーがやってきた。
ゼファーリメイクの人気はやはりZ仕様。タイガーカラーへのオールペンで、パールやラメを加えるのが定番になっている。
このバイクは、みんなも知っているとおり、ネイキッドブームの立役者として知名度が高く、あの伝説のバイクであるZの流れを汲んでいる。オトコのバイクとして血統も申し分なく、硬派でカッコよいスタイルから、若者を中心にゼファーの旧車會仕様が続々と登場し、現在も人気を博している。
レーサーレプリカブームに沸く一方で、次に来るものを模索していた80年代末。国内4大バイクメーカーの中で先手を打ったのがカワサキであり、投入されたのがカウルレスのネイキッドスタイルであるゼファーだった。そしてゼファーはネイキッドモデルの元祖という称号を手にし、後々まで語られることになる。
初期の1型はガソリンメーターがなくメーター一体型で、2型はタコ&スピードの2連メーターが特徴的だ。初代ゼファーは2バルブ仕様で1995年まで製造され、翌1996年に4バルブ仕様のゼファーχ(カイ)が登場した。
初代は1989年に登場。ちょうどバブル全盛の時代に登場し話題になる。その人気は凄まじく、初代だけで1万台以上というスマッシュヒットとなった。このゼファー、そのラインナップは幅広く、また、細かい仕様変更を施しながら20年もの間ロングセラーモデルとして君臨した。
当初は400ccモデルしか生産しないとしていたカワサキだが、このバイクが予定を上回りあまりにもヒットしてしまった為、かつ海外のユーザーからの熱い要望もあって半年も経たないうちに750ccの生産もスタート。後に1100㏄モデルも生産開始する。
'89年に登場したゼファー 400ccの成功によって、新世代ネイキッド市場を確信したカワサキが、翌年90年6月から国内市場向けに市販を開始したのがゼファー750初期型C1だった。このモデルの最終型は2007年式になる。
ゼファー1100の登場は1992年。xを除けば一番最後のモデルになる。ブレイクしたのは1995年の大型自動二輪化。つまり限定解除廃止後のこと。リッターネイキッドブームという追い風を背に、圧倒的な人気を誇った。1996年に登場したZRX1100が出るまでの間は、カワサキネイキッドモデルのトップに君臨していた。
また、カワサキの伝説のバイクZ1/Z2の流れを汲むバイクとして、その雰囲気をより濃くするため標準仕様のキャストホイールをスポークホイール(チューブタイヤ仕様)に変更し、「Kawasaki」の立体エンブレムをフュエルタンクに配したゼファー750RS/1100RSも一時期併売した。後に、4バルブ仕様のZEPHYRχ(ゼファーカイ・399cc・53馬力)も発売されたが、2バルブの初代400ccも2年程度併売され続けた。
1998年に登場したゼファーでは、あのカワサキZを主張する火の玉カラーを採用。さらに、2000年にはタイガーカラーまでもラインナップに加わった。2008年の最終モデルでは、特別に塗装された青火の玉と濃紺タイガーを設定した。
1998年に明るい色調の赤が初投入された。形式はG3で、このモデルでは、レッド、シャンパンゴールド、ブラックの3色がラインアップされた。
これが2008年に登場した最終型のゼファー400。型式はZR400G8Fになる。20年の幕を閉じる最終型では、Zの意志を受け継ぐファイヤーボールカラーが採用された。
旧車會メンバーの改造ゼファーをご紹介!
セパハンにタックロールのカフェレーサーっぽい仕様。暴走単車とは若干毛色が違うが、それでも目を引くだけの完成度の高さ。前後のキャリパーはブレンボ、リアサスはオーリンズ。レーシーなモナカ管をショート加工した点も見逃せない。
白ベースに黒のペイントは、誰が呼んだかサバンナストライプ。確かにサバンナ感はあるが、ファイヤーな気がしないでもない。とはいえ、白×黒のツートンで押し切った潔さには好感が持てる。マフラーも雰囲気に合わせて、つや消しブラックをチョイスした。
赤で縁どりした銀×黒のファイヤーに竹ヤリマフラーは純然たる不良の証! こういう思い切った仕様は、若い世代にもどんどん広めていってもらいたいものだ。ピヨピヨ付きのマーシャルライトやBEETのテール&フェンダーなど、大人なパーツが光る。
ショッキングなカラーリングと完成度の高さで、かなり目立っていた一台。グリーンに白×黒×シルバーのYSP仕様で、全体に占めるグリーンの分量が絶妙。ヘッドライトは、緑とは補色の関係にある黄色のマーシャル。フォグも同色で揃えた。
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