現在の旧車會で人気を集めている単車の歴史を振り返る!!この時代のこの単車でなければ、俺達にとってはダメなのだ。
局地的な人気を博したGS400の後継機として80年に登場したのが、このGSXだった。ティアドロップのような流れるラインのGSの後、やけにカクカクしたデザインで登場してきたことから、後継機種に期待したユーザーも若干の戸惑いは隠せなかった。
赤い外装の単車がザリガニ、黒い外装の単車がアルマジロと呼ばれたのも、角ばった独特のフォルムがゆえのことだったのだろう。アルマジロ、という愛称はさすがに呼びにくかったのか、今ではほとんど残っていないが、ザリガニの愛称は今でも前期GSXの別名として広く認知されている。ただ、この角ばったデザインこそ男の単車だと、熱狂的に支持する単車乗りも決して少なくはない。エンジン性能はGSからさらに向上していたため、走り出すと速い単車であった。
82年にⅡ型が、83年にはⅢ型が発売されたのだが、このⅢ型発売時に大胆なモデルチェンジが施された。前年に発売されたハンス・ムートによるデザインのナナハン、KATANAが爆発的にブレイクしたのを受け、400Eと250EもKATANAシリーズとして生まれ変わったのだった。とはいえ、ヒットした要因でもある独特のカウルが付いているわけでもなく、タンクとサイドカバーの形状が本家に近づいたくらいのものであった。愛称の“ゴキ”は、カラーラインナップにあった黒×金の車種から名付けられた。
ブレーキがシングルディスクであること以外、外見がほとんど変わらない250が出ているのもGSXの特徴。共用できるパーツも多いが、フレームがオリジナルのためエンジン換装は容易ではない。

前後期で姿が一変したGSXだが、細部に渡るマイナーチェンジは頻繁に行われていた。
『扇風機』と呼ばれた最終Ⅳ型のキャストホイールは出荷量が少なかったこともあって希少価値が高く、値段も高騰気味だ。
ヨシムラFⅢのベース車で、POPヨシムラがその速さにほれ込みコラボしたのがインパルス。純正でヨシムラの集合管が付いているのが魅力だったが、「じゃあ何で4発にしたの?」 という謎は今も解明されていない。
この形と色が好き、というオーナー氏は敢えてノーマルパーツと純正カラーを適度に保ったままカスタマイズ。リーゼント風防に社旗棒、三段のバランスがなかなか。これからイジるのは足回りかな? 
イノウエフルカウルにセブンスターホイール、ゼッツーテールとかなりやり込んだザリ。ポイントカバーやアルフィンはさりげなくBEET。ピンクのフチ取りファイヤーが武骨さと軽さを見事なまでに調和させている。 
オーナーは女性。白ベースにピンク&ラベンダーというカラーリングも、元々がスッキリとしたシルエットのKATANAだけに見事なハマり方。とはいえロケットカウルにアップハン、三段、エビテール&拡声器ときて回転灯と、装備自体はかなりイカツい。 
白×黒×黄のカラーリングが、かなり鮮烈な印象を与える。イノウエフルのロケットにマーシャルのライトも、元々のカラーと相まって見事にハマっている。ヨシムラのヘッドカバーやポイントカバーがマッチするのもKATANAならではだ。