フェルナンド
「暴走族の文化は生き方であり、心から自分を表現する方法だと、雑誌やインターネット等で学びました。荒々しいコールは、心から叫んでいるような、聞いて欲しい表現です。極端な改造、派手な服装、ワイルドな態度、他グループとの競争、ルールへの反抗…クルマやバイクのエンジン回転数を上げることで、自分を表現できる。つまり、アナタは自由です。アナタは自分自身なのです」
CR
暴走族や旧車會、街道レーサーのドコがカッコ良いですか?
フェルナンド
「バイクやクルマも、そのオーナーをそのまま反映します。愛車の色・形・細部が、それぞれ異なる作品に仕上がっている。何千・何万もの修正とアイデアが創造性を刺激し、見た目も非常に魅力的!
轟音を奏でる排気管は、その持ち主が周囲に心の声を届けたいと思っている表れで、ライトが目立ち注目を集める為と同じだと思う。全ての作品のあらゆるディテールが、持ち主の気持ちを象徴している。そして私にとって生きていることは、そんな感情を持つ…ということです。改造したエンジン音、攻撃的なエアロ形状、巨大なスポイラーや排気管は、非合理な境界線上にあるカスタムで、何故なら、それが芸術的だから。運転が好きならば、改造したバイクやクルマを運転する感覚、それがグループで行われると、さらに言葉では言い表せません。自分自身の中では、アドレナリンと平和がミックスした感覚。これこそ昔の暴走族、今の旧車會や街道レーサーの世界観が好きな魅力ですね。
私が注目すべきは、旧車會の音職人たちの暴走族“コール”。もし暴走族の世界に車両間のコミュニケーション言語があるなら、コレでしょう。それぞれの車両・排気管には、独自の声がある。そして、それぞれの所有者は、マフラーに話させたり、叫ばせたり、歌わせたりすることもできる。特に、イベントで開催される“コール”コンテストが、素晴らしいと思います。まるでマフラーがメロディやリズムを歌いながら、この世のモノとは思えないスピードとコントロールで、バイクのエンジンを回転させる能力が凄い。一見するより遥かに難しく、私の関心を最も惹きつける技の1つで、1度コツを掴めば病み付きになってしまうからです。もっと練習して学ぶべき技は、まだまだ沢山ありますね」
フェルナンド
「言葉と距離の問題で、日本に知り合いは多くいませんが、日本の文化や人生観が大好きなので、もっと多くの時間を日本人と分かち合いたいと思っています。私はインスタグラムで、旧車會や街道レーサー界のインフルエンサーを何人か知っています。間違いなく私が最も尊敬している人物は、東京・新河岸シンガシ/S.G.S.のオーナーである大河原雄一氏です。私は彼のショップ&ガレージを訪ねて彼の仕事や経験、バイク改造の技術を学ぶ機会を以前に得ました。彼は私の仕事において、最大のインスピレーションの源だと考えています。もっと日本語が上手になって、彼と友好的に会話できたら良いのに…きっと沢山の事を学べると思います」
フェルナンド
「Wabi-sabi(侘寂)です。この日本らしい言葉は、私が愛車でやっていること:不完全で未完成の作品…にピッタリなので大好きです。世の中に完璧なモノは、存在しないと思います。私たちは、物事や人々の美しさを、ありのままに評価することを学ばなければならないと思います」
フェルナンド
「愛車はカワサキGPz400 F2です。私はインターネットでBowimaru氏と出会いました。彼は私が尊敬する素晴らしい人で、カワサキに装着しているロケットカウルのデザインを彼に教えてもらいました。バイクに取り付ける為にいくつか改造し、グラスファイバーで補強し、国内の廃品置き場で手に入れた黄色いシビエのフォグランプを装着しました。ロケットカウルとシールド、旗棒、三段シート、レーシングプロジェクト・ムラシマの4-2-1エキゾーストは、ヨーロッパでは手に入らない特殊なパーツなので、日本から輸入しなければなりませんでした。
キジマのハンドルグリップ、軽量スロットルも取り付けました。マフラーはキジマのクイックリリースを装着できるよう改造したので、状況に応じてワイルドなエンジン音を聴いたり、静かに走ったりもできます。また、テールカウルも変更し角度を付けて、サイドカバーに通気口を開けました。ハンドリングを改善する為に、ステアリングダンパーも装着し、バイクの安定性が大幅に向上しました。バイク全体にマルチカラーのLEDライト、ホーンも取り付けたり楽しいですね。エンジンは11,500rpmで約54psを発揮するそうです!」
フェルナンド
「私は幸運なことに、クルマとバイクの両方のモーター業界に良い友人や知人がいます。でも、日本の文化が極端になると、私はとても寂しく感じます。時には誤解され、時には好きなスタイルが十分に評価されず、ほとんど知られていないこともあります。そして、スタイルだけでなく、職人技も過小評価されることが多いのです。私のスタイルや情熱を気に入ってくれる人もいますが、スペインでは改造や旧車に関する規制が厳しく、すべてが難しくなり法的問題が発生することもあります。しかし、時には情熱が何でも可能にします。私の仕事の大きな役割は、このカスタム文化を広めることです。人生は1度きりなので、楽しまなきゃ!」
フェルナンド
「私は日本の文化を学び続け、自分の国に持ち帰り、それが奇妙で未知のモノとして見られないようにしたいと思っています。そうすれば誰かしら、気に入るかも知れないし、気に入らないかも知れない。また私は、母国で愛車の改造を合法化しやすくする為の道を切り拓きたい。友人達も助けてくれるおかげで、少しずつ近づいていると思います。最終的に私は、自分の好きな趣味に専念したい。母国で他の人々の為に変革を起こし、彼らの夢を叶える為にもね!」
フェルナンド
「私は日本に2度行きましたが、いつまでも忘れられない経験でした。今後は車両の改造や、インターネット・コンテンツ作成の仕事がしたい。日本で友達を作り、日本の文化を内側から体験したいですね。
例えば、改造したクルマやバイクに乗って高速道路を走る。イベントの“コール”コンテストを見に行って、自分も“コール”を沢山やりたいです。日本で全てを自分自身で学び、もっと素晴らしい人々に出会いたいと思います。もちろん、日本の観光地へ数多く旅行したい。日本はモーター文化という興味だけでなく、とても美しい場所です。そして伝統、教育、国民への敬意を大切にする姿勢は、称賛するに値します。建築、料理、エンターテイメントも別次元。日本は私が尊敬する人生哲学です。日本人の皆さんも、スペインに是非お越し下さい! きっとガッカリさせませんよ!!」