様々な仕様が存在する旧車會。その様子は族文化とは違って、個性豊かなカラーリングやデザインによってアピール度を高めている。誰よりも目立つために工夫を加え、独自の進化を遂げる「旧車會カスタム」その凄さを紹介していこう。
原チャリカスタムへの情熱
誰もやらないソウルペイントを施す
HONDA
クレージュ・タクト

Owner:toshi
Team:ズルムケ

 1985年にホンダが発表したクレージュ・タクト。パリのファッションデザイナーであるアンドレ・クレージュ氏によるデザインで、ホンダとしては女性向けスクーターとしての売り出しであった。
 だが、パールホワイト/ピンクとパールホワイト/ブルー、そしてパールホワイト/イエローのパステルカラーが当時の不良達にウケて、ヤンキー御用達の原チャリとして知名度を高めた。
 そんなクレージュ・タクトは現在でも人気が高く、カスタムベースとして手軽にイジッて遊ぶことが流行っている。基本は純正スタイルにプラスαのチョイ足しパーツというのが定番だが、中にはその枠をはるかに超えたマシンも存在している。それが、今回紹介するクレージュ・タクトである。  ここまでカスタムが進むと、もはやクレージュの名なんてどうでもよくなる。細かい幾何学模様を組み合わせてペイントした技法は、アメリカン・ローライダーに見られるソウルペイントという手法だ。このソウルペイントとは、ゴースト(幽霊)ペイントとも言われ、例えばある角度から見ると柄が浮かび上がってきたり、あるいは光の当たり方によって柄が浮かび上がるなど、不思議な細工が施せる。下塗りの上にデザイン柄をペイント、その上にキャンディーをペイント、色の濃さを調整して、様々な模様を組み合わせていく。その作業は途方もなく、まさにペイント職人の技量が試されるアート作品といっても良いだろう。  そんな凝ったペイントを、オーナーであるtoshiさんは塗装ショップ「Art of Design S.C.I」に依頼。基本的に社長のセンスにまかせて、ソウルペイントを施してもらったという。左右対称で描かれたラインは、すべてが計算し尽くされ、魅せる模様としての効果を発揮する。カラーはブルーをベースにグラデーションをかけつつ、パープルへとカラーチェンジする躍動感がうまく出ている。 ペイントの技法としては、繊細なラインワークからはじまり、ボカシ、らせん巻、ラップ等、様々な技を駆使。"魅せる模様"を装着しているカウルのすべてに描いている。 これほど凝ったペイントを施した原チャリは正直見たことがない。チャンバーやカウルに入れたダクト加工等、注目箇所はたくさんあり、装着パーツもマニアックだが、このペイントを見せられたら、やはり話題は塗装に集中してしまう。おそらくペイント費用だけで、ベース車両代金の3倍~4倍の費用がかかっていると思われる。これこそ、まさにオーナーであるtoshiさんのカスタムに賭ける情熱!! ヒトとは違うマシン作りへのこだわりといえるだろう。このクレージュ・タクトは本当に凄かった。

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