様々な仕様が存在する旧車會。その様子は族文化とは違って、個性豊かなカラーリングやデザインによってアピール度を高めている。誰よりも目立つために工夫を加え、独自の進化を遂げる「旧車會カスタム」その凄さを紹介していこう。
SUZUKI
かつてチャンプロードのカバーマシンにも選ばれたことがある、秋田県在住、東北連合RINGの「まさかず&ゆうな」のGT380。とっても仲の良いご夫婦で、共にサンパチ乗り。しかも、その作りがイカしている。
旦那さんの赤のサンパチは、ヤラレ車として製作。自然な形で汚すことで深まる旧車のムードを重視し、あえて磨き上げることなく、錆も味のうちということで仕上げる。
赤いオリジナル塗装の絶妙な色褪せは、意図的に作り出せるものではない。まさに自然のなせる技として完成した姿である。ちなみに、ハンドルの錆にもぜひ注目してもらいたい。年期の入った錆の層はまさに芸術といえる作品に仕上がっている。
完成の見えないヤラレ車として現在も進行中。自然な仕上げを重視し、絶対に作り出せないナチュラルを追及している。
一方、奥さんのGT380はとっても斬新な発想のペイント処理を施している。
和風塗装と本人がいうとおり、この仕上げは浮世絵的なアートを感じさせる。ロケットカウルの形状をうまく活かしてデザインするだけでなく、カラーコーディネイトもあえてのツヤ消しが、この絵図にぴったり。そして、より目に飛び込んでくる押し出しの強い白煙娘の文字。ナイスな表現力だ。
絵面は松、日輪、富士山をメインに。タンク上部には梅が描かれ、和服姿の女性がたたずむ。
こうした日本画風のデザインをロケットカウルに入れる手法は、これまでなかったアプローチで新しい。今後は、こんなアート感覚を採用したアレンジペイントの時代がくるのかもしれない。
魅力的な和柄ペイント。まさにアートな作品で、おそらく外国人がみたら大注目すること間違いなしだ。日本画風の絵面がとっても良い。単車の仕様はイチパチ管にマルゾッキ、マーシャルライトにBEETキャストホイール、トレンチカットディスクを装着。ロケットはイノウエ当時物で三段シートは川口製だ。