様々な仕様が存在する旧車會。その様子は族文化とは違って、個性豊かなカラーリングやデザインによってアピール度を高めている。誰よりも目立つために工夫を加え、独自の進化を遂げる「旧単車會カスタム」。その凄さを紹介していこう。
SUZUKI GS400
ロケットカウルのライト位置は、ちょうど海面付近にあたり、そこから下に降りていくとリアルなイルカや熱帯魚が泳ぐ姿が描かれている。そして、濃淡で海面に注ぐ光と深海の深さを表現、実に細かいエアブラシ作業によって丁寧に仕上げられている。
ペイントを担当したのは神奈川県のキャンディライフで、エアブラシ界の巨匠として有名。よって、その仕上がりの良さは別格で、旧車會で存在しているラッセンカラーの中でも、キャンディライフの手によって仕上げられたマシンは、ひと際、特別な輝き放つ。 描き方が細かいので、本当の意味で「魅せる」にこだわり、それを追求、まさにアート作品の領域に達している。
カウルだけでなくフレームもシートもすべてのパーツにブラシを入れる。ただ、クリスチャン・ラッセンの画風を真似るのではなく、そこにオリジナルの「和」のアレンジとして花びらを加えるあたりがお洒落。幻想感をさらに盛り上げる。
一切の妥協を排除して完成度を高めたGS400。タンク上のイルカには波光までもがクッキリ描かれている。また、オリジナルのフレーム強化板を装着することでペイントのアピール性も増した。背面にKスタイルの地元である静岡側から見た駿河湾と富士山、そしてクジラを描く超ロングな三段シート(バケサン)にも注目してもらいたい。