現在の旧車會で人気を集めている単車の歴史を振り返る!! この時代のこの単車でなければ、俺達にとってはダメなのだ。
当時はそれほど気にしていなかったが、今あらためて思い出そう。デビューから派生モデルへの移り変わりを知ることで、また新たな発見もあるだろう。そしてやっぱりこの時代のバイクは面白いと実感するはず。

"吸い込み"というジャンルを
生み出した永遠の人気車種
 それまで2スト専門だったスズキが初めて世に送り出した4スト、それがGS400だった。単車で初めてDOHCを採用するなど、新しい技術を数多く盛り込んだスズキの意欲作だ。
 「いかにも単車」というルックス、そして当時としては革新的なメカニズムの搭載と、スペックだけを追えば最初から人気を集めそうなものだが、こと暴走族の間では、発売当初から大人気というわけではなかった。
 初のツインカムエンジン搭載ということで、もちろん一般的には大ヒットしたわけだが、GSの発売当時にシリーズ最後期のGT380と平行して販売されていたこともあり、特に暴走族の改造ベース車として認識されず、むしろ"イマイチ君"であったと言わざるを得ない。
 そんなGSの魅力にいち早く気付き、現在の旧車會ブームに至るまでの人気車種に押し上げたのが、神奈川の暴走族、特に全日本レーシング連盟系の暴走族だった。
 理由はいわずもがな、"吸い込みコール"である。集合管を付けて吹かすと、「ンーバァ」という今までに無い排気音を鳴らせて魅力を引き出した。そして、当時のどの単車よりもうるさかった。
 これでコールを切って集会に行けば、目立つこと間違いなし。初日の出暴走など、独特のサウンドを奏でるバイク・GS400で得意げにコールを切る全日本系のチームに、他地域のチームも注目。どうやって鳴らしているのか?どんなマフラーを付けているのか?暴走族的な"技術交流"が行われたことで神奈川発祥の”GSの吸い込み”が関東全域へ瞬く間に広がり、一気にブレイクしたのである。

GSといえば当時はバリバリの暴走族車。そして現在は、旧車會を代表する単車。スタイルも様々で風防、ロケットカウルともにハマる。ファイヤーパターンがよく似合う単車である。

 その後の拡散は非常に早く、通常は新車の発売から集会で目にするまで、約2年のスパンがあったといわれる当時(暴走族の単車購入は、基本的に中古車であったため)でも、中には新車を購入してまで改造する者もいたようで、1年後にはかなりの数のGSが暴走スタイルに改造された。
 さらに、マイナーチェンジで星型キャストホイールが採用されると、これもウケて人気はさらに高まる。某有名チームの支部は全車をGSで固めていたほどで、CBXが登場する80年代初頭まで、バブとこのGSは間違いなく族車の二枚看板車だったわけだ。
 その人気ゆえに、当時から社外品も数多く製作された。改造リメイクパーツとしては、カムカバーにポイントカバー、メーターカバー、さらにはアルフィンカバーといったところか。
 メーターカバーはキジマから発売されたが、純正でも前期型は上半分が、後期型は下半分がメッキ加工されていたため、このふたつのメーターを合わせると、フルメッキになるという裏技もあったらしい。
 またポイントカバーはビートやキジマのほか、スケルトンタイプなんてものまであった。
 そして何よりGSオーナーがこだわったのが、マフラーだ。当時の人気はヨシムラにマービング、クロスなどで、腹下直管やハス切りスタイルとアレンジも加えられた。
 暴走族におけるマフラー選びは、どの車種も慎重になる。選択ひとつで音が変わり、"吸い込みコール"のGSの場合は、特にマフラーにかかる比重が大きい。さらに長さによっても音が変わるため、切り幅の見極めが難しかった。
 高いお金を出してヨシムラのマフラーを買ったはいいが、少しずつ切り詰めていくうちに短くしすぎてしまい全てが台無しに……という事例も、当時は頻発していたらしい。ゆえに当時のGS乗りたちはそれぞれのネットワークを駆使し、解体屋を回って生き残ったマフラーを探すのが日課だったそうだ。

 生産中止は1980年。後継モデルとしてGSXが登場したが、今でもその人気は不変。平成の時代でも主役を張れる、稀有な存在。それがGS400という単車なのである。


SUZUKI GS400シリーズ
 1976年に、スズキで初めて400cc4ストロークDOHC直列2気筒エンジンを搭載したのがこのGS。マイナーチェンジ後のGS400Eは、星型キャストホイールなど当時としては珍しいルックスだったことなどから人気を博した。暴走族業界では"吸い込み"の代名詞として、現在でも絶大な人気を誇っている。


GS400
それまで2スト専門だったスズキから発売された初めての4スト車。この初期GSにしかない装備や加装も多いのだが、全てが純正の初期型はなかかなお目にかかれないようだ。車体番号の打刻形式はGS400-10001~。

GS400-2
輸出車とのパーツ共有のため早々にEタイプに取って代わられたシリーズだが、エンジンなどは初期型よりもむしろEとの共通点が多い。よりクラシカルなスポークホイール好きに人気。車体番号の打刻形式はGS400-42205~。


GS400E
エンジンの形式などは400-2と似通った部分も多いのだが、最大の特徴が星型のキャストホイール。2本線でタンクの外周をなぞった塗装は「Eライン」と呼ばれる。車体番号の打刻形式はGS400-52482~。

GS400E2
フレームの細部に補強が入ったり、"引きキャブ"を採用したりと、様々なマイナーチェンジが加えられたシリーズ。先端がカールした[E2ライン]は、今でもGS乗りのペイントの定番。車体番号の打刻形式はGS400-63122~。


GS400L
Eとまったく同じエンジンを使用しているアメリカンタイプ、GS400L。ノーマル状態の形状はかなり違うのだが、パーツ類に流用できるものも多く、敢えてLに乗るファンも多い。



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